マスターのひとりごと(インフォメーション)
          2011-12-15 22:51:00
        
        
        信長が足利将軍家を傀儡にしていた三好氏を追い出して京都を占領したときのこと。 
 信長は三好家に仕えた料理人を捕らえました。
早速、信長はその料理人に料理をつくらせましたが、 
 「こんな水っぽいめし、よう食えせんわ!こんな下手くそな料理人、斬ってまえ!!」と激怒しました。
 しかし、料理人某。少しも騒がず、「殿さま、もう一度拙者に料理を作らせてください。 
 もし、今度の料理も口に合わなかったらその時はいかようにも御成敗ください」と、言い放ちます。 
 そこで信長は次の日の食事も作らせることにしました。 
 次の日。信長は料理を食べて上機嫌でした。 
 「どえりゃあ、うみゃあで。その方、わしの料理人になりゃあせ」 
 料理人仲間がどういう訳かと訊ねたところ… 
 「それはやなぁ」と、料理人某は語ります。 
 「最初の料理なぁ。あれは三好家で出していた京風の薄味や。
次の料理はやな、田舎風の濃い味にしたんや。 
 信長公は尾張の出やさかい濃い目の味がお好みやろうと思って、
2番目の料理には田舎風の味付けにしたんや」 
 …この頃から京の薄味、田舎の濃い味と違いがわかる逸話ですが、
それよりなにより信長のような権力者にたいしても 
 田舎者と見れば、料理人ふぜいでも京都の人間は馬鹿にするという(それも内心で)、 
 いやらしいながらも権力者を手玉に取ったという点で痛快な話ではあります。 
おしまい


