ハンバーグの起源

ハンバーグの起源は、18世紀頃ドイツの港町ハンブルクで労働者に人気のあったタルタルステーキだと言われています。タルタルステーキとは、13世紀頃 ヨーロッパまで攻め込んでいた中央アジアに住むモンゴロイド系の騎馬民族タタール人(tartars)が食べていた生肉料理を原型としています。
モンゴルからヨーヨッパへ遠征してくるタタール人の移動手段は、馬にまたがり、敵国へ向かうという、気の遠くなるような行程を要すものでした。
兵列が長くなると、一番問題になるのは食料の調達方法です。

タタール人は、数頭の馬を連れて行くことにより、食料も賄うという方法をとっていたようです。
彼らは、乗りつぶした馬を殺し、肉は料理に、血は飲み水に利用しました。しかし、乗りつぶす程酷使した馬ですから、当然、筋肉が付き過ぎで肉は硬く、脂肪も落ち、筋張って食べられたもんじゃない訳です。
そこで彼らは、その不味い肉を美味しく食べられるように、ある工夫をこらします。
その工夫とは、馬の鞍の下に肉を置き、自分の体重で加圧して肉の繊維を破壊して柔らかくするという方法でした。

タタール人は、その生肉を細かく切 り叩き、玉ネギ、コショウ等香辛料で味付けして食べていました。
つまり、この固い肉を柔らかいミンチにして食べる、というタタ-ル人の遠征料理がハンバーグの起源だったのです。
今でもこの遠征料理の原形に近い料理はあります。タルタルステーキというのがそれです。
これは生の牛肉を包丁で細かく叩いた物に卵と香辛料を混ぜ合わせて食べる料理です。

ドイツのハンブルクで労働者向けの食事として流行したタルタルステーキを焼き固め、ソースをかけて味付けした料理がハンブルグステーキです。
18世紀頃、ドイツ、ハンブルグのある領主が当時大流行だった牛生肉のステーキ(タルタルステーキ)をもっと美味しく食べられるようにと、料理長に命じて作らせたものがそうです。
挽肉を薄くまとめて外側はカリッと焼き、、中は生に仕上げるのが特徴です。
このドイツの港町ハンブルク「Hamburg=ハンブルク」を英語読みにしたものが「ハンバーグ」の由来でした。

ドイツの「Hamburg=ハンブルグ」港から英国に渡ったステーキだから「ハンバーグステーキ」。

18~20世紀前半に多くのドイツ人がハンブルグ港から船出し、アメリカに移住しました。アメリカに渡った彼らが
大航海時代、船内で備蓄されていた非常に硬い干し肉を乾燥前の状態に負けないくらい柔らかく美味しく調理するために生み出した調理方法が発祥という説も有るようです。(ハンブルク港を主な寄港先としていた船舶が多かったため)