ドン・キホーテがすんげー好きなんだわw

 
 

ラ・マンチャに住む田舎郷士アロンソ・キハーノは、50歳になろうとしているのに騎士 道物語ばかりを読み耽る騎士道小説オタクで、勉強しようとも働こうともせず、今日のNEETのような生活をしてい ます。その影響で、自分が伝説の騎士であると思い込み「伝説の騎士 ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」という痛々しい名前を名乗るようになります。そし て次々と痛々しい行動を続けて周囲から嘲笑され続け変人扱いされるよ うになるが、異常な回復力をもっていたりするから実は本当に伝説の騎士もどきだったのかもしれない…が、悪意に満ちた世界を救う為に旅に出なければならな い!と妄想し、先祖伝来のボロい 甲冑のコスプレを着用して痩せ馬ロジナンテにまたがり、農民のサンチョ・パンサを従えて、愛しの姫ドゥルシネーアを救うために冒険の旅に出る―。

…。って感じのストーリーなんすけども…。

この作品、基本的には喜劇です。ドン・キホーテが風車を巨人だと思い込んで突進する話は有名ですが、その他にも旅籠を城だと思ったり、羊の群れを軍の隊列だと思ったり…従者のサンチョが「これは旅籠ですよ」「あれは羊ですよ」と言うのですが、ドン・キホーテは「お前は冒険というものがわかっていない」「お前は魔法によって目を眩まされているのだ」などと痛いセリフを言っちゃいます。ほかにも「魔法使いが書物を消した」なんて明らかに無理があるだろっ!ていう知人の説明で納得してしまったり…お蔭で自分も痛い目にあうし、これでもかっ!てくらい、周囲にも迷惑をかけます。

 

最 初は島の太守にしてくれるという話を鵜呑みにして利のためにドン・キホーテについて行ったサンチョ(何?この人、ちょっと天然で脳内お花畑…前編ではただ のうすのろまぬけなんすけど、後半では数百の諺を使いこなす賢人にバージョンアップ!)が、次第にドン・キホーテに情愛の念を抱くようになるところは ちょっと感動したりして…

 

んで、ラストは泣かせます。正気に戻ったドン・キホーテが死の床につくシーン。サンチョが枕元で「旦那さま、死なねえでくだせえ…。また一緒に冒険に出かけましょう…」と涙を流す場面はグッときます。

 

ドン・キホーテには理想主義者の長所と短所が凝縮されています。短所は、行き過ぎた行動がしばしば自分や他人を傷つけるところ。ドン・キホーテは現実が見えない為かなり他人に迷惑をかけます。理想と現実の違いに気づかない理想主義者の欠点と言えるでしょうか。

 

逆に長所はとにかく希望(って言うか妄想?)に燃えて活き活きとしているところ。正気に戻ったドン・キホーテが直ぐに死の床についてしまうのは象徴的で、人間は空想や理想(あるいは狂気?)がないと生きていけないということを示唆しているようです。

まぁ、セルバンテス自身の生涯がとても不遇で波乱万丈なものでしたから(こちらに簡単にまとめてます)…。

 セルバンテスは思うに熱い人。まぁ、松岡修造みたいなw。
んで、その熱い思いに忠実に生きたんですね。時代はまさに大航海時代でスペインという国家にひたすら忠誠を誓い、任務に忠実に働いた んですね。えらいっすね。
でも、ひたすら裏目裏目に出るんです。これでもかってくらいに。
ある日ふと気付くと牢獄の中にいる老いた自分。散々国家に忠誠を誓い一生懸命生きてきてこれかよっ!って感じですね。そんな状況で書き上げていった「ドン・キホーテ」。
彼はこの作品に国家に対する皮肉や自嘲といった思いを込めたとかよく聞きますが、私が思うにドン・キホーテのように生きたかった。その思いが一番強かったんじゃないかなと。

 

失意のうちに描き上げたこの小説にはアツく国家に忠誠を誓って生きてきてこのザマかよ!みたいな心情も読み取れるし、あえて道化師のように振舞わせる事で、自身のこれまでの生涯を重ねあわせたのかもしれません。

セルバンテス自身がドン・キホーテのように道化師になりきって生きたかったんじゃないかなとも思うわけです。

 ドン・キホーテ、妄想の世界に逝っちゃったアレな人。じゃなくてほんとはきわめてまともで妄想の世界に逝っちゃったアレな人を演じていた人。
いろんな世間の悪意や、不見識とかドロドロしたものと渡り合って生きていくために、そういった演じる力が欲しかった。その演じる力が自分を振り返る余裕も生んだだろうし、もっと楽しく生きてくる事にもつながっただろうに…みたいな気持ちが根底にあったんじゃないかなと。

 

 

「お前は冒険というものをわかってない!」サンチョを叱責する言葉こそドン・キホーテ、いえセルバンテスが

私たちに言いたかった事なんじゃないかなと。

何でもない物が見方を変えるだけでこんなワクワクする対象になるじゃんか!みたいな…。

 よく自分探しとか本当の自分は、とか聞きますが本当の自分なんていつも何かを考えてる自分それでしかないわけで。喜怒哀楽その時々で出てくる感情に振り回されるのが自分なわけで。だったらそれを上手にコントロールする自分を作る事が大事だったりして…。
優しい自分も厳しい自分も好きな自分も嫌な自分も全部同じ自分。

 毎日なりたい自分を演じて自分がそれを監督して朝晩それを振り返り反省会を一人で開いて一歩一歩理想の自分に近づけていく…。
そんな毎日をひたすら一生懸命過ごす中で関わる人達に少しでも元気とか喜びとか、ちっちゃな幸せを感じてもらえる、そんなオッサン に私はなりた空港!
 ドンキのオッサンはセルバンテスのドン・キホーテからそんなことを学ぶわけです。

 きっとセルバンテスもそう生きたかったんじゃないかなと。

 

 

高杉晋作の辞世の句「面白き ことも無き世を 面白く (住みなすものは 心なりけり)」と同じメッセージを感じます。

熱いハートで生きててもむしろ報われない事の方が多い世の中だけれども、その中で理想なり、希望なり、あるいは、人から見れば笑われるかもしれない自分の生き方を決して忘れちゃ駄目だよ!結果的にはその中で人を幸せにすることだってあるんだよ!っていうメッセージをストーリーの中から感じるわけです。

 

まぁ、そんな生き方をしたいなってことで「ドンキホー亭」って店名をつけますた。チャンチャン!